朝日に引いたわ

降りる駅の名が聞こえてとっさに起きたらドアが開いていて、慌てて電車を飛び降りた。

ドがつく田舎の何でもない普通の土曜の朝五時の駅、人は私以外になし、そもそも電車自体に、うちの高校の野球部の奴しか乗ってなかったし。今から朝練なんだろうなあ。隣の隣のバイパスから車の風の音とチュンチュン鳥がないてるぐらいの中を家まで歩いた。

駅周辺は住宅に囲われてるんだけど、少し歩くと田んぼと川しかない開けた道を歩くことになる。
ここがたいそう眩しくて、もう22にもなりましたから朝まで遊び歩くなんてことも久々でしたから、山から見え始めたところで朝日がまぶたをジワッと焼くのがわかった。
裏日本では山から日が昇るんだよ。関東の方のいいとこのお嬢さんなんかは知らないでしょ。

こんな一方的に圧倒的光当てられてる時点で理不尽な気持ちいっぱいだったんだけど、ちょっと見てみると、空の上の方と下の方のグラデーションが綺麗すぎて、なんだか引いてしまった。
ほんとに綺麗だったんだよね。太陽やべえ。よくもまあこんな色出せるよね。肉眼もやべえ。よくこんな色認識できるね君。

こういうの、前は全然気にならなかったんだけど、失って初めて気付くことみたいなさ、もう何千万回言われてるだろう陳腐な話なんだろうけどさ、疲労困憊だったからもあるのかな。なんかめちゃくちゃ引いたわ。